地域係数とは低減係数と見たり

2019.12.24

はじめまして。構造設計部の宮岡です。今後、構造設計コラムを配信してまいります。

 よろしくお願いいたします。

 今回は地震の地域係数(Z)についてお話しいたします。

ご存知のように、建築基準法では全国をZ=1.0~0.7で指定しています。この数値を見てわかることは、地域係数は地震力の低減係数であるということです。


 昔々、昭和26年の竹山謙三郎(建設省建築研究所 所長)の論文からの引用ですが、実に興味深いのでここに紹介します。

  1. 将来の地震は決して過去の統計からのみでは予想できない。
  2. 裏日本の地帯は冬季積雪時の地震計算をしなければならないので、もし震度を大きくすると部材断面が過大となって経済的に実施不可能となる恐れがある。
  3. 過去において一回でも破壊地震のあった地区は、その他の地区よりも地震危険度を高く見なければならない。
  4. 鉄筋コンクリート造のように耐用年数の長い構造物は、大きな地震に遭遇する機会も多く予想されるから、木造等の様に耐用年数の短いものと同等に扱うのは妥当ではない。
  5. 震度の採用値は都市の重要度によって変えるべき。
  6. 建築基準法の精神から言えば、すべて最低限の安全度を確保する立前であるから、地域により安全度を変えるという考え方はこの趣旨に沿わない。

結局上述の諸説が総合されて、下図の様な震度の比率が最後の形として描かれています。

沖縄は昭和47年に日本に返還され昭和56年にZ=0.7、静岡県は平成29年に条例でZs=1.2になりました。

今後は、性能等級に合わせて地震の安全係数として、設計者が任意に設定できれば良いと思われます。(例えば、Z・Safty = 1~1.5のように。)

参考論文 

著者名:竹山 謙三郎 

巻 号:773
ページ:28-31
年月次:1951-04(昭和26年3月26日)